about A-materials
1997年10月、吉祥寺に「Socks」をオープンするその何年も前から、素材屋をやりたい、と実は思っていました。素材(マテリアル)というのは、私の場合は、布、紙などが中心で、それらを見たときに、人々が、「あ、これを使ってなにかを創ってみたい!」と創作意欲がむくむくと沸いてくるような、そんなマテリアルのことです。しかもそれらは、できればヴィンテージのもので、今となっては作ろうと思っても決して同じクオリティーのもが作れないような、時代の匂いが残っているような、そんなものであればなおいいなと密かに願ってもいました。そして、「Socks」「Socks*Ciao!」のなかで、徐々にそんなマテリアルの占める割合が増えていき、気が付くと、多くの皆さまが「何か」を「創る」ためにわがショップに来てくださっていました。雑貨の販売もしてきましたが、気持ちはますますマテリアルへと回帰し、初心貫徹、素材のみを扱うショップ、というよりもアトリエを作ってみよう、という決心をしました。

ふりかえってみると、子供のころから母娘そろって生地好き。美大生だったころは、画材屋さんのはしごをし、紙、キャンバス、絵の具、筆、などなど絵を描く材料を選ぶのが愉しみのひとつでした。キャンバスに張る麻地は、目の細かいベルギー製のものでなくては、とか、絵の具はやっぱりレンブラントのものがいい、とか。材料を選び終わったところで、すでに半分制作が終わったような気分になっていたこともありました。そして、それから長い長い年月がたち、当時は想像もしなかった「ニューヨーク生活」も経験しました。人生は長くやるものですね。思いもよらなかったいろいろな経験ができるのですから。そして、1985年、マンハッタンでの生活がはじまるやいなや、飛んでいったのは画材屋、洋裁手芸材料屋、金物屋、そして、いわずと知れたフリーマーケット。お気に入りの洋裁手芸材料店には足繁く通い、使う予定もないのに、ひも、トリム、毛糸などなど買いあさっていました。ある日のこと、店主のおじさんに、「このショップごとまるまる全部買い取りたい」と。「ああ、いいよ、買っておくれ」とあっさりいわれたこともありました。今となっては、本気で買い取っておきたかった、と悔やまれます。(総額のことはさておき、ですが。)

そして、2007年4月1日から、念願のマテリアルの販売に集中したいと思います。大好きな生地はもちろんのこと、何かを創るための材料を、可能な限り集めてみたいと思っています。そして、アトリエには小さな展示コーナーなども設置し、ミニイベントなども開催できるようにしたいと考えています。一日教室なども開ければなお良いですね。準備期間がすこし必要になりますが、できるだけ早くシステムを考えたいと思っています。
最後に、このアトリエの内装をひとりで請け負ってくださる、臼井拓朗さんのことをお話します。彼との出会いがなかったら、これほど早くに、イメージしていたアトリエは現実のものにはならなかったと思います。2006年10月〜11月、A-thingsでの彼の作品展示が、今回のアトリエプランのきっかけになりました。臼井さんにすべてをおまかせして、心地よいアトリエを(といっても彼の作品に変わりありません)設置していただきました。臼井さんの力添えがあってこそのA-materialsです。

以上、簡単ですが、A-materials オープンのお知らせとさせていただきます。みなさま、ぜひお運びください。アトリエで楽しいひと時を過ごしていただければ、そして、何かひとつでもお気に入りのマテリアルをみつけていただければ、大変うれしく思います。ゆっくりと、のんびりと、A-materials とおつきあいいただければ幸いです。
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